相続手続きにおける「代表相続人」の役割


代表相続人とは

代表相続人という言葉は、相続手続きにおける実務的な言葉であって民法などの法律で具体的に定められているわけではありません。

あくまでも、納税手続きや銀行手続きなどを行う際「複数いる相続人の代表者として手続きを行う」という意味で便宜的に使われている言葉です。

代表相続人(相続代表者)は誰でもなることができます。

それでは、代表相続人はどのような役割を担っていくのでしょうか?

代表相続人が登場する場面

【代表相続人が登場する場面①】固定資産税の納税

都税事務所、市役所などにおいて固定資産税の納税について代表相続人の指定を求められます。

これは亡くなった方の不動産について、分割協議がまとまるまでの間、固定資産税の納税通知を受け取る人を定める必要があるためです。

あくまでも、納税通知の受取人の指定であって、その受取人になった代表相続人に全ての納税義務があるわけではありません。

固定資産税の納税義務は、遺産分割が完了するまでは、法定相続人の法定相続分に応じて生じます。

都税事務所、市役所は税金の徴収手続の合理化のために代表相続人の指定を定めています。

【代表相続人が登場する場面②】金融機関での代表相続人の指定

このように、事務手続きを簡略化するために代表相続人が指定されます。

金融機関から2名の相続人へそれぞれ振り込むことも可能ですが、振込手数料を軽減するためにもこのような手法がとられています。

【代表相続人が登場する場面③】税理士事務所との連絡窓口

相続税の申告書は相続人全員で共同作成し、税務署へ提出することが原則です。

しかし、税理士へ依頼するような場合、税理士事務所から代表相続人の指定を求められる場合があります。

これは、税理士事務所からすると、相続人が複数いるような場合、個別に相続人と連絡をとりながら進めてしまうと、情報の伝達や遺産分割について、特定の相続人への協力を疑われ、トラブルに発展する場合があるからです。

【代表相続人が登場する場面④】相続財産の売却が想定される場合

遺産分割において相続した不動産を売却換価して、その換価された現金を相続人間で分け合う場合に代表相続人の役割は大きいと言えます。

不動産の売却には、仲介会社への手数料、譲渡にかかる税金などが発生します。

これらの諸費用を除いた手取り額を相続人間で分配することになるわけですが、不動産取引は業者の選定から、譲渡にかかる税金の計算など作業工程が多岐にわたり、専門家との打合せを重ねながら進めていく必要があります。

業者の選定を誤ってしまった場合には手取り額が少なくなり、相続人全体への影響は甚大です。

このような相続財産の現金化にも代表相続人がリーダーシップを発揮して取り組む必要があります。

代表相続人は誰が適任か?

相続人の平均年齢を考えると、50代~60代の方が多いのではないでしょうか。

仕事が忙しい方や、体調が思わしくない方もいらっしゃると思います。

昔のように長男、長女が代表相続人になる必要はなく、相続手続きを進めていくにあたって時間、専門的知識、他の相続人からの信頼など総合的に検討しましょう。

役割分担を決めて代表相続人が全体を統括する方式もあります。


煩雑で時間のかかる相続手続き

相続手続きは煩雑で、手続き方法を調べながら行うのは大変です。
必要書類が多い上に期限内に書類を集めて作成し、各関係機関へ提出する必要があります。
また、役所や金融機関などは平日のみの対応なので、仕事をしている方は、仕事を休んで手続きをする必要があります。
せっかく仕事を休んで銀行の窓口に足を運んでも、書類が不足していたり、記入が間違っていたりして何度も足を運ばなければならないこともあります。
相続税の申告期限は迫る・・・。非協力的な兄弟姉妹・・・。
大切な人を亡くした心の傷も癒えない中、極度のストレスから体調を崩してしまう方もいます。

かけがえのない限られた時間を有意義に過ごす選択肢

そんな相続手続き、なぜ自分でやろうと思っているのですか?
長男・長女の役目(?)だから?
インターネットやノウハウ本に自分でできると書いてあるから?
専門家に頼むとお金がもったいないから?

でも、考えてみてください。

相続手続きについて調べたり、悩んだり、走り回ったりする時間を仕事や趣味や休息にあてたとしたら、どんなに心と身体にとって健康的であるかということを。

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