「自然に還る」…遺骨の行き先が多様化

2018年12月6日

 「私が死んだら遺骨は海にまいてほしい」

 海洋散骨は、全国で年間1万件ほど行われている葬送方法です。ひと昔前までは、人が亡くなり火葬された後は、墓地に埋葬されるのが当たり前でした。しかし、核家族化・少子化が進んだことで、特に都市部でお墓の取得や維持・継承に不安を抱えている人は多く、遺骨を自宅に置いておく手元供養や継承者を必要としない永代供養墓などを選択する人が増えました。遺骨の行き先は年々多様化しているのです。

 中でも海洋散骨は、「自然に還る」「自由になれる」といったイメージも手伝い、選択肢として考える人が増えています。海が好きな人、海を仕事場にしていた人、お墓の継承者がいない人、家族関係が複雑な人、海外生活が長かった人など、さまざまな方々からお問い合わせをいただいています。

 散骨の法解釈としては、「刑法の遺骨遺棄罪や墓地埋葬法に反するものではなく、死者を弔う祭祀として国民感情に配慮しつつ相当の節度をもって行うならば違法ではない」という考えが定着しており、個人の自由な判断に任せられているといえます。ただし、誰でもどこでも散骨ができるというわけではありません。

 一般社団法人日本海洋散骨協会では、トラブルの防止、環境保全、安全確保などの観点から、以下のようなガイドラインを制定しています。
 1.遺骨の粉末化(1−2ミリ程度)
 2.海岸ではなく沖に(人が立ち入ることができる陸地から1海里以上離れる)
 3.養魚場・養殖場、航路を避ける
 4.自然に還らない副葬品はまかない
 5.花を海に手向ける場合はセロハンでまいた花束を禁じ花びらだけにする
 6.参列者の安全確保をする(保険の加入義務など)
 7.喪服の着用は避ける(桟橋やマリーナの他の利用者の心情に配慮するため)
また、「遺骨を全て散骨してしまうと、お参りの対象、心のよりどころがなくなるのではないか」という質問をいただくことがあります。そのような場合は、遺骨の一部を手元に残す手元供養のほか、散骨した場所に定期的にお参りに向かい故人を偲ぶメモリアルクルーズや、陸上から散骨ポイントを臨み手を合わせる供養の方法などについてご案内しています。

 メディアで紹介される機会も増え、年々一般的になりつつある海洋散骨ですが、具体的なことはよくわからないという人もまだいます。海洋散骨に少しでも興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

(株式会社ハウスボートクラブ)


一般社団法人 シニアライフよろず相談室

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