「おひとりさま」死後の手続きの不安解消へ

2019年3月14日 ,

 死後事務委任契約

 超高齢社会が進展し、家族のあり方が多様化する中で、「おひとりさま」という言葉を耳にする機会が多くなりました。「おひとりさま」とは、65歳以上のいわゆる高齢者の方々のうち、未婚者、またはパートナーと死別・離別した単身世帯の人を言います。

 総務省の国勢調査によれば、1980年には65歳以上の一人暮らし高齢者が88万1000人でしたが、2015年には592万8000人となっています。今後もますます「おひとりさま」が増えていくことが確実視されています。今回は、「おひとりさま」の終活において、利用が増加している「死後事務委任契約」について取り上げてみたいと思います。

 死後事務委任契約とは、亡くなった後の事務手続きを第三者に委任するための契約を言います。亡くなった後の対策として、いわゆる遺言という制度があることはご存じだと思いますが、遺言を利用することで法的な効力を及ぼすことができるのは、基本的に「どの遺産を誰に渡すか」という財産に関する点に限定されます。

 しかし、実際には財産のこと以外にも、葬儀や納骨、行政の手続き、入院費等未払債務の支払いや遺品整理などがあるわけですが、これらは遺言で誰かに頼むことはできません。「おひとりさま」の増加により、最近このような死後の手続きに関するご相談が非常に増えてきています。

 死後事務委任契約は、自分が元気なうちに、死後の事務手続きを頼みたい人(受任者)と契約をします。受任者は、親族や専門家でも問題ありません。そして、時を経て本人が死亡すると、締結した死後事務委任契約に基づいて、受任者が責任をもって死後の事務を行います。また、契約開始時には本人は死亡しているため、公正証書により契約書を作成し、契約内容を明確にしておくことが一般的です。

 死後事務委任契約は、他の生前対策と同時に行うケースが多いです。例えば、定期的に連絡をとって安否確認などを行う「見守り契約」、施設への入居時などに必要となる身元引受人や身元保証人を決めておく「身元引受契約」や「身元保証契約」、認知症による資産凍結を防止する「家族信託」、後見人を事前に決めておく「任意後見契約」、自分の財産を誰に承継させるかを決めておく「遺言」などを、ご本人の希望に合わせて組み合わせることになります。

 「おひとりさま」に限らず、生前対策について考えることはとても重要です。ご自身のため、ご家族のために、元気なうちに一度、終活や相続について専門家に相談してみることをおすすめします。

(チェスナット司法書士法人)


シニアライフよろず相談室
編集部

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